恩師と父へのジェラシーと対抗心が湧き…
「母さんは滉一のペニスに夢中になっちゃったのよ」おれの分身をしゃぶりたてた母は、おれが根元まで沈め上下動すると下からしがみついてきた…。
(告白者)
肥田木滉一(仮名・23歳・塾講師)
自分の恩師が母と…
久しぶりに酔って帰宅すると、母はもう寝室に移って休んでいるらしい。
駅の改札を出るときに見た腕時計では、午後九時少し前だった。
駅から自宅までは、歩いて十二〜三分なので、まだ九時をわずかに回ったところである。
門をくぐると、中庭に面した居間と、そのすぐ奥に通じる母たちの寝室が、厚いカーテン越しに照明を暗くしているのが分かった。
母たちの、といっても、外資系の会社に勤めている父は現在、海外出張中である。
最初、父は母も一緒に連れて行く気でいたが、海外渡航の経験がない母は、言葉や食事が不安で結局、日本に残ることになった。
「まあ、二年間程度のことだから、あっという間だ。それに、年に二回はまとまった休みをもらえるから帰ってくるよ」
そう気楽に述べて海外に父が単身赴任して二年目を迎えようとしていた。その間、おれは大学卒業と就職の問題を抱えていて、結局、希望した十数社は全滅。留年も考えたが、いつまでも親に甘えているわけにもいかない気がして、進学塾の講師として、しばらく食いつなぐ道を選んだばかりだった。
夏休みや盆、暮れのバカンスシーズンを避け、父はゴールデンウィークと夏休みシーズンの谷間に一週間ほど休暇で帰国する予定になっていた。
事件はその直前のこの日の白昼に起こったのである……。
玄関から家に上がると、台所もダイニングテーブルの上も、几帳面な母らしくきれいに片づけられていた。
もっとも、この日は塾が休みで、久しぶりにおれは旧友とゆっくり昼メシを食ったり、共通の趣味だったビリヤード、そして夕方からはゆっくりまた食事がてら一パイやる予定で、県内有数の繁華街で待ち合わせしたのである。だから、母には夕食はすませてくると伝えてあった。
旧友が指定した、駅前通りの一角にあるビルの二階の和食レストランで待っていると、彼から少し遅れるとのメールが入った。
それで料理の注文を待ってもらうことにし、窓際のその席に座ったまま、なにげなく通りをはさんだ向かいの喫茶店を見て驚いた。
母が、その喫茶店の奥まった場所にある二人掛けのテーブルで、おれの見知った男と、食事を済ませてお茶を飲みながら楽しげに談笑していたのである。
最初、こちらに背を向けていた中年男は、トイレに立ったとき、おれの中学時代の恩師だと分かった。
母よりひと回り年下の、三十八〜三十九歳のはずで、中年の域に入った落ち着きを見せてはいたが、当時、女生徒たちの人気を集めたあこがれの教師にふさわしい、二枚目の面影はいまも健在だった。
あとで知ったのは、そのN先生がまた転任で拙宅のある地区とは隣り町の中学に、今回は単身で赴任してきたというもの。
母とはどういう因縁か、まるで長年の恋人みたいな親しげな、どこか危険なムードをかもし出していたのである。思ってもみない光景に、おれは目がクギ付けになった。
そして、二人が並んで席を立ってレジに向かったとき、おれはあわてて旧友に、
『おれから誘っておいて申し訳ない。急用ができたので失敬する。この借りは借りておく』
とメールを打ち、店の従業員にもその由を伝えて和食レストランを飛び出していた。
階段を駆け降りて、見ると、母とN先生はすでに喫茶店を出て、駅とは反対方向に並んで歩いている。
一定の距離を置いて二人のあとから、人混みの中を尾行してゆくと、商店街のアーケードが途切れたところから三つ目の路地を二人は右へ折れた。
その先に中古マンションの玄関が口をあけていて、二人は吸いこまれるように肩を並べてその中に消えていった。
人通りがぐっと減った路地の民家の物影から見ていると、上階へ行くのか、エレベーターの前で二人は、冗談でもいったのか、母のほうが甘えた感じでN先生の肩や背中を軽く叩いて見せた。そして、一階に降りてきた金属の箱の中へ、馴れた様子で二人は乗り込み、ドアが閉められていた。
おれは急いで玄関をくぐると、エレベーターが六階まで上昇し、そこでランプが消えるのを見てから、六階の郵便ポストに〝N〟の名前を確認したのである。
夫人や子供の名前はなく、あとでN先生が単身赴任中だと知った。
その建物には、非常外階段や裏口もあったが、あの二人の堂々とした様子からは、出てくるのも表玄関だと推測された。
そして、思った通り、三時間近くたってから、母は一人で、どこか上気した顔つきで表玄関から出てきた。
もっといえば、母の表情は晴ればれ、いやサッパリしたといった形容がふさわしい様子で玄関から路地に出てきて、また商店街を駅の方角へ向かったのである。
その路地を出たところにラーメン屋があり、その店でおれは、ラーメンなんか食べる気がせず、三時間ものあいだ、あまり強くはないアルコールを口にして出てくるのを待った。
強烈きわまりない妄想が次々と浮かんできて、酔いも加わり、おれの顔つきはかなり険悪な、凶暴といってよいものに変わっていたのかもしれない。
旧友からのケータイへの電話にもそっけなく対応し、心配そうにおれを遠目で見守るラーメン屋の親父に対しても、どこか殺気だった目つきで見返していたのである。
三時間ものあいだ男と一つ部屋にいて、何もなかったなんて考えられない。
もうすぐ五十の大台に乗ろうかという四十八歳の熟女というべき母と、十歳以上も年下のまだまだ生臭い男との白昼の情事……。
父やおれに対する重大な裏切りよりも、おれは母とN先生、いやNとのなまなましい痴態が次々と頭のなかを駆け巡り、おれは心がパニックになった。が、マンションから出てきた母の晴れやかな顔つきと、浮き足だった足どりに、おれは一気に酔いからさめてしまった。
ラーメン屋の親父は、おれが万札を出してちゃんと勘定をすませたので安心した様子だったが、おれは別の店で飲み直した。
しかし、結局は酔えずに帰宅したのである。
母の痴態を妄想し
いったん二階の自室に上がり、新しい下着とパジャマを持って降りた。
シャワーを浴び、洗濯もすれば、少しは気分が変わるかと思った。
母を問いつめ、指弾するには、材料が足らなかった。なぜなら、昼間のことを追及しても、
「バカなことをいわないで。確かにN先生のお宅にお邪魔したけど、話をしただけよ、それとも、なにか証拠でも」
気の強い母にそう反論されたら、二の句もない。
むしろ、気まずくなるだけだ。
それよりも、母が逃げられないだけの証拠を掴む必要があった。
「くやしいけど、もう少し母を注意深く見守り、シッポを掴むしかない」
冷静になり、頭を洗いながら、
「いや、おれの誤解……早トチリだった可能性も否定できない」
そう口の中でつぶやいたとたん、しかし、母のあられもない姿がまぶたの裏にリアルに浮かび上がった。
浮かび上がったと同時、愚息があっという間に勃起していた。
シャンプーとリンスを流しながら、同時にシャワーのお湯を勃起ペニスに注いでみたが、かえって充血するばかりだ。
洗面器に水道の水をため、そこにペニスを漬けてみたが、いったんは萎えるものの、すぐにまた怒張する。
何度かそれをくり返したが、次々と母の、ウシロ向きでNに突きまくられて乱れる母の淫らな姿がさまざまに浮かび上がり、興奮と熱がおれの体から遠ざからない。
あきらめて、途中からおれは勃起したまま頭髪と体をタオルで拭いて脱衣場に出た。
着換えをすませて居間に行き、冷たいウーロン茶でも飲みながらテレビのニュースでも見れば、パジャマズボンの中で突っぱらかっている愚息もおとなしくなるのではないか。
そう思って台所の大型冷蔵庫から冷えたウーロン茶を出してグラスに注ぎ、居間に移ってソファーに座った。
リモコンに手をのばし、テレビのスイッチを入れようとしたときだ。
居間に続く母たちの寝室から、襖戸越しに母の聴いたこともないイビキがこぼれてきたのである。
「……!?」
ちびライオンのそれにも似たイビキなのだった。
近所でも美人で評判の母の、かなり無防備といってよいイビキだった。
壁に掛かった時計を見ると、まだ九時半を少し回っただけである。
まだ塾の講師の職をえて二カ月足らずだったが、母は仕事から帰るおれを待っていて、いつもは早くても寝るのは十一時過ぎ。
母のそのイビキは、昼間のかなり体力を消費したことを語る〝熱戦〟を、またおれに強く連想させたのである。
一度はおさまりかけた勃起が、前にも増してみなぎってきた。
セーブできない気持ちになり、冷たいウーロン茶を一気に飲み干したおれは、グラスをテーブルに置くと、やおらソファーから立ち上がった。
気がついたときには、母の寝室に勝手に襖戸を開けて忍びこんでいたのである。
自分で自分が、そのとき何をしようとしているのか分からなかった。
ただ、他の選択肢がそのときに考えられず、しかも母の寝室に入り、襖戸を後ろ手に閉めると、暑いのだろう、母は上掛けの夏物布団を横へほとんど打っちゃらかっていた。
そのために、母がパジャマ代わりに着ている浴衣の裾が乱れ、とろりと白い片方の大腿部とその奥の肌色に近いパンティーが丸出しになっていた。
ゴク、リ……。
自分の喉が鳴ったのを聴いたとき、おれは確かに背中をポンと押された気がした。
なおもリズミカルなイビキをこぼしている母の足元に、息をひそめながら回りこんでいたのである。
母の体全体から清潔なシャボンの香りがたち昇っていた。
そこに、かすかに汗の匂いがまじり、両方がまざり合って女のエロチックな匂いがおれの鼻腔を挑発的にくすぐったのである、
(おれは一体、何をしようとしているのか……何をしたいのか……)
頭の中は混乱したまま、母の足元にうずくまり、夢中で母の、オンナの匂いを嗅いだ。
そっとそっと浴衣の裾を左右にはだけ、ヘアーの茂みでこんもり盛り上がったパンティーの秘丘部分をさらけ出し、鼻を寄せたとき、頭がクラクラして急に酔いがおそってきた感じがした。
(やめろ! そこまでだ!)
と、もう一人のおれが叫んだ気がしたが、もう思考力も理性も失せてしまい、暗い坂道を突っ転がるようにして母のスラリと長い脚からパンティーを、とうとう脱がしてしまったのである。
かつてない昂揚に
母は、なお起きなかった。
おれによって陰部をすっかりむき出しにされたのみならず、徐々にだが、時間をかけて白い股をMの字よろしく、両膝を折り広げられても心地よさそうなイビキをこぼし続けているのだった。
そこで起きてくれたら、さすがのおれもハッとして立ちどまったかもしれない。
それはもちろん虫のいい話だが、そこまでされても起きないほど深い眠りに沈んでいる母に対して、おれは劣情とともに怒りと反発が湧き立った。
と同時に、ムラムラするような獣じみた欲情も込み上げたのである。
なぜと知らずおれは、母のむき出しにした秘部に顔を近づけ、いつしか腹ばいポーズで媚臭を嗅いでいた。
あるいはNのオトコの痕跡を嗅ごうとしたのかもしれないが、入浴をして〝証拠〟を消した(?)母のそこからは、シャボン臭と汗のまじったセクシーな香りが感じられるだけだった。
(アイツも、母のここに、口でいろいろしたのだろうか?)
そう思ったとき、怒りと対抗心と興奮がゴチャまぜになったような激しい感情にくるまれた。
母のそこに、おれはくちびると舌をそよがせていたのである。
「う、ぷっ」
陰毛が鼻の穴をくすぐり、クシャミが出そうになってあわてて口をはずした。
手で口をふさぎ、なんとかこらえたとき、母が小さく寝返りをうった。
いつしかイビキが消え、安らかな寝息に変わっている。
おれは、引き返し不能になっていた。
なんだか強迫観念じみて、いまのこのときを逃したら、一生チャンスを失う気がしてしまったのである。
しかも、そのことは、ヤツから母を奪い返すたった一度の機会だとでもいう、わけのわからない大義名分をおれに与えたのである。
膝立ちポーズになり、パジャマズボンとその下のものを一緒くたに、といっても、ちょっと時間を食ったが、脱いでいた。
かつてないほど、おれの分身はコチコチに猛ち勃ってしまっていたのである。
ただ、不思議なことに、母の陰部は、おれの唾液だけでなく、口づけによる刺激のためか、かなりぬかるんでいた。
ビチョビチョとまではいかないが、充分に挿入可能なぬかるみ状態になっていたのである。
母が目をさましては、元も子もない。
いったん閉じられた母の両膝を、そろりそろりと再び折り広げ、おれは這いつくばるようにして腰を割りこませた。
上体を起こしたまま、木の棒のように固くなったものの根元を握り、亀頭先端を母の濡れた秘口にあてがう。
いまは別れてしまったかつてのガールフレンドたちとのとき、こんなに昂揚したことがあっただろうか。
初体験は大学に入ってすぐの同じ歳の女の子で、お互い初めてだから、まったくの失敗で無様なものだった。
挿入もできずにぶちまけてしまったのである。
それで二度目、つまり本当の初体験は職業的な女の世話になったが、プロの女というのはショーバイなので実に味けない。
その後は片手に余る同世代の女の子たちとセックスしたけれど、思い返してみても、この夜のような興奮度のたかまりは初めてだった。そう思ったとき、
「う、ん……?」
母が目をさましそうな気配が生じた。
とたん、おれはあわてて位置を定め、なんの情感もなく一気に腰を沈めていた。
「あ、は、はは……ッ」
母が下半身を、次いで全身を固くするのが分かった。
横を向いて口を半びらきにしたまま、不意に両目をパッチリさましたのである。
もうそのときには、おれの木片のような固い肉の棒は、ほとんど根元まで母のぬかるみの沼に深く沈められていた。
「うっ、うんッ……!?」
顔を上に向け、ちょっと頭を上げた。
おれと目が合い、
「なに、滉……一……駄、目えッ」
口走り、目を吊り上げておれを押しのけようとしたが、おれは母を押さえつけるようにして、上からしがみついていたのである。
「ううっ、ぐぐっ」
夢中で下半身を上下動させた。
ピストンした。
「ああっ、ああっ、こ、滉一い」
母は下半身をよじり、両肩をくねらせ、胸の前で両腕を交差させ、その両腕でおれを下から押しのけようとした。
が、おれの猛烈ピストン攻撃に、たちまち打ち負けていたらしかった。
「ああっ、そんな、そんなあ、あはあ〜」
心と感情は必死でおれを拒絶しようとするのに、いつしか肉体はおれの攻撃に流されていったのである。
「どうして、滉一、こんなことを……」
母がなおも喘ぎ喘ぎいったので、おれは思わずいったん動きを止め、
「Nの野郎なんかに、大事な母さんを奪われてたまるもんか」
母の顔を見てそう口走っていた。
すると母はギョッとした表情になり、
(やっぱり、そうだったのか。おれの疑念は正しかったのか)
そう悟った瞬間、自分でも思ってもみないことだったが、こらえようもなく両目から滝のような涙があふれ出た……。