ああ、お義父さん
尿道口から、さらにカサのあちこちに舌をそよがされるにおよんで、
「ううっ」
おれは太い喘ぎをこぼしていた。
しかし、母は行為に夢中で、エラの張ったくびれのところにも舌をふるい、果ては先っちょからずっぽりくわえていた。
「うーん、むんッむんッ」
くぐもった声をこぼしながら、舌をぺらぺらふるって亀頭全体をしゃぶりたて、あるいは吸いたてる。
えもいえない快美感が続ぞくとおれにおそいかかっていた。
母とのっぴきならない関係になったのは、あれは何度目のときだったか。
アルバイトが始まってまもない深夜、トイレに行こうとしてそっと部屋を出て中廊下をしばらく歩いていたら、祖父の部屋からただならない気配を感じた。
吸い寄せられるようにしてドキドキしながら祖父の寝室に近づいてゆくと、
「お義父さん、もうもう許してえ」
襖戸越しに、母の切羽つまった声がこぼれてきたのである。
それでおれは玄関からこっそり外に出て祖父の部屋の窓に近づき、わずかなあかりのカーテンのすき間から中を覗いた。
上段の透けガラス越しに、背伸びするようにして室内を覗くと、ネグリジェの上からカーディガンを羽織ったまま母が、裾をまくって祖父の顔にまたがり、
「ああ、ああ……いく、いっ……くう」
むき出しにしたノーパン部分を祖父に舐めまくられて喜悦していたのである。
そのあられもない姿態に、おれは打ちのめされた。
照明は天井の豆電球の明かりだけだったが、唾液とも愛液とも判別つかぬもので祖父の上下の唇がぬらぬらとぬめ光っている。
その淫猥なたたずまいがおれを打ちのめしたのである。
翌日、アルバイトを体調がすぐれないといって早退し、昼前に帰宅した。
その日は祖父は病院のリハビリの日で、母は祖父を軽自動車で病院に連れてゆくと、一人で昼ごろに帰ってきた。
わざと分かるように玄関先に脱ぎ捨てたおれの靴を見て、心配しておれの部屋に駆けこんできた。
布団にもぐって寝ているおれを見て、
「どうしたの、修一郎……具合を悪くした? 熱でもあるの?」
部屋のドアを開けっぱなしにして、心配そうに中に入ってきた。
「いや、ちょっと……おなかの具合が……」
そばにきた母にいい、
「なんか悪いものにでも当たったかい……大丈夫? 医者に診てもらうかい?」
眉間にシワを寄せて心配そうな顔をする母と、昨夜の母の苦悶の表情がそのときリアルに重なった。
「医者より……愛情不足かな……」
「えっ。なんて……わっ」
母が短い悲鳴を発した次の瞬間、おれは強引に母を布団の中に引っぱりこんでいた。
……どれくらいの時間を要したろうか。
最初、母はひどく暴れて抵抗したが、
「おじいちゃんと、毎晩あんなことを母さんはやっているの?」
と決定的なことをいうと、
「……ッ」
小さな悲鳴じみた声をこぼし、ガクッと全身から力が抜けた。
ほとんど全裸に近い格好にした母に乗しかかるようにして肉体をつなげると、
「ひひッ……す、すごいッ」
とかん高い声を発して、下から母は両手両足をおれにしがみつかせてきた。
あんなに抵抗した母だったが、尻のほうまで伝うほど陰部を濡らしていた。
中までべちゃべちゃだったが、しかし、ちょっとピストンしにくいくらい、肉ヒダがすごい緊縮力にみちていた。
途中から母は、母であることも忘れたかのようにおれの背中に両手の指を食いこませ、見ると両目から歓喜の涙をこぼし、
「ああ、ああ」
と言葉を失って快感に流されていった……。
母とは、その日以来、ほとんど毎日のように、祖父の目を盗んで許されざる関係を続けるようになったのである。
そして、祖父と母との関係を断ち切って、前述したような介護の世話を受けさせるようにしたのだった……。
ああ、いくぅーッ
「うむーん、むっむ、むうむう」
くぐもった声をこぼして、母がフェラチオに熱中する。
あれは、いつだったか、母が羞ずかしそうにいった。
「ね、修ちゃん、笑わないで聞いてくれる?」
「なんだい」
「母さんね、修ちゃんのアレをキスしているとき……」
「おしゃぶりのこと?」
「いやあねえ。いわせないで、ロコツ。でも……そう、よ」
「おしゃぶりがどうかした?」
「お願いだから、そんな……だから、母さん、キスだけで行ってしまうこともあるわ」
「はっは。それはすごいや」
「ほら、やっぱり笑った」
「ごめん、ごめん」
「でも、あのひと(亡父)とは、そんなことは一度もなかったの」
ふっと母がそんなことを口にしたとき、当分は母と、この許されざる関係を続けるだろうという予感にふるえた。
「うむう、うむうむーッ」
おれの愚息を強くしゃぶりながら母が、全身を硬直させた。
どうやら気をやったらしい。
おれのものを口から出し、根元を握ったままハッ、ハッと息を乱れさせ、しばらく放心状態となった。
今度は、おれが攻撃する側に回る番である。おれも余裕を失っていた。
身体を四五度ひねり、むき出しの母の汗ばんだ下半身を片腕で抱き寄せた。
「ひッ、修一郎」
と母は短く口走ったが、そのときにはおれは母の股間に強引に顔をこじ入れていた。
すでにべたべたにぬかるんでいた母の女の部分に、くちびると舌を熱烈に這わせていたのである。
「ああっ……ああっはは、そこ、そこよ、そこそこッ」
かん高い声を発して母はスラリと長い片脚を跳ね上げ、みずから下半身をおれにぐりぐり押しつけてきた。
二枚の濡れそぼった肉びらを一枚ずつ、あるいはまとめてしゃぶり、さらに花弁の上べりで腫れぼったくなった肉芽を、さやごとしゃぶり上げ、吸引すると、
「いッ、いっ……く、いくう、いくいくいくうーッ」
母は下半身をケイレンじみてふるわせると、そのまま鋭く昇りつめていたのである……。
母さんの中に出して
あお向けに寝かせた母に、浴衣とその下のものをすべて脱ぎ捨てて全裸になったおれは重なった。
痛いほど猛々しく硬直したみなぎりの先端をあてがい、ぐっと沈めてゆくと、
「はははんッ……いい、いいッ」
そうせずにはいられないとでもいうように、母は下から両腕をおれにしがみつかせてきたのである。
こころよいきしみを伴って、母のぬかるみきった肉ひだが甘美なうごめきを増幅させてくる。
俗にいう三段締めとでもいおうか、この夜は格別にその反応が素晴らしく、入口と中ほど、そして奥の三カ所の粘膜が甘やかな締めつけとざわめきを生じさせてきた。
「うーん、いいよいいよ、母さん」
「母さんもだよ、ああ、ああ、いい気持ちだこと」
おれの上下動のピストンに対し、母は左右あるいはぐるぐると、くびれたウエストをグラインドさせながら、
「ああん、あんッあんッ、母さんは修一郎、あなたに夢中なんだよ」
今度は両腕もおれの身体にしがみつかせていった。
「おれも、母さんに夢中さ」
そう答えると、母のそこが一段と緊縮力を増した。
同時に、おれの怒張もさらにパワーとボリュームをアップしていたのである。
「修一郎、あなたにいいひとができたら、母さんはきっぱり身を引くわ、ああっはは」
母のくびれた腰がうねる。
「いつのことやら。いや、もしかして、いいひとって母さんのことかもな」
「そんな」
「だったら、一生おれは母さんと……」
「駄目よ、そんなこと、駄目駄目えッ」
いいながら母は、背中の肉に食いこむほど両手の指を食いこませる。
激情がおれと母をほむらのように包んでいた。
「母さん、おれ、限界だ」
「母さんも……きて、このまま、いっぱい母さんの中に注いで」
「いいんだね、本当にこのまま」
「大丈夫、きて、きてきて、ああっはは……きてるきてる、母さんもいッ……くくうッ」
おれが噴出させはじめると、母の上体がむちのように大きくしなった……。
学生時代、小料理屋で出会った若い脳外科医に聞いた話をフト思い出した。
「人間の肉体は、脳が支配しているんです、脳の一部を、たとえば注射針で刺激すると、いきなりケラケラ笑い出す。あるいは別の箇所に刺すと、今度は泣き出したり、怒り出したり……すべて脳の命令によるのです」
その理屈に従えば、おれの愚息がぜんぜん萎えずにコチコチでいるのも、脳がそのように命じているせいなのだろうか。
どうであれ、母を大喜びさせるほど、おれのものは一度や二度の射精ではしぼむことをよしとしなかった。
「若いってすごいのね。嬉しい嬉しい」
二度目の射精のあと、母はからだをつなげたまま今度は自分が上になった。
部屋は暖房がきいていて、しかも二人とも汗がしたたるくらい熱をおびていた。上掛けを横へ打っちゃらかって、母はおれの胸に両手をついて上体を支え、
「あうーん、当たってる、修ちゃんの元気なものの先っちょが……あッ、あッあッ、母さん、また気をやっていい?」
「なんべんでも、好きなだけ……それっ、それそれッ」
「あわわわ、そんなに激しく突いたら、やだあ。やだやだ、またよ……うっわわっ、またまた……いくいくいく、いくうーッ」
はばかりを失った嬌声を発して、母はくずれるようにして上からおれにしがみついてきた。
母のそこの粘膜がケイレンじみて甘く収縮し、おれは早くも三度目の限界が近づいてくる予感をおぼえていた……。