息子の情熱的な腰づかいに何度も絶頂に達し
「すごいすごい、こんなに気持ちがよいのは初めてよお」息子の女泣かせのぶっといお道具と、達者な腰さばきと多彩なピストンに私は我を忘れて…。
(告白者)
児島路子(仮名・60歳・会社経営)
仕事のために身体を売り
あれは十二年前ですから、私が四十八歳のときでした。
当時、会社を立ち上げたばかりで、四苦八苦していたのですが、仕事が少しずつ面白くなってきたときでもあったのです。
エンジニアの夫は、資金援助までしてくれながら、私の自由にさせてくれ、しかも余計な口出しはいっさいしませんでした。
意地悪くいえば、会社経営などは無縁の、真面目ですけれども典型的なサラリーマンだったのです。
「始めた以上は、最後まで自分で責任をもってやりなさい。ただし、自宅を担保に入れるようなことだけは勘弁してくれよ。そして、やるだけやってダメなら、いさぎよく撤退して〝店〟を畳むこと。おれは、いっさい口出ししないから、それだけは約束してくれよ」
夫にそう念押しされました。
最初は順調でしたが、段々と苦しくなっていったのです。
財務も読めないシロートの私が始めたことですから、困難を伴うのは当然でした。
普通の会社なら、とっくに倒産しているところを、そうなったら私は自分が人生の敗北者になってしまう…、もっといえば「負け犬」になるのがイヤだったのです。
それで私は、まだ体力も野心もみなぎっていた四十代の女ざかりのその時期、夫と息子の目を盗んで、大胆にも有力スポンサー候補の男たちと、次々に不らちな関係に走っていたのでした……。
あれは夫が技術指導の仕事で一週間ほど東南アジアに出張で出かけたときのこと。
ちょうど息子も、仲良しの友人と遅い夏休みで三泊ほど山登りに出かけることになったのです。
当時、大学院に通う息子は二十五歳で、勉強熱心なタイプでしたから、夏休み中でも、週末以外は昼間は大学か県立図書館に通っていました。
ですから私は、浮気の情事はいつも昼間に行っていたのです。
それも、始めのころは用心深くシティホテルを密会場所にしていました。けれども、段々とサイフの中が余裕がなくなり、安手のラブホテルやモーテルを使用することが多くなり、それも金回りが悪くなると、大胆にも自宅において夫以外の男たちとセックスに走るていたらく。
なんとか当時の会社の危機を乗り切ることに必死で、他のことに目が向かなくなっていたのです。
だから、昼間以外は絶対に、スポンサー候補の男たちを拙宅に招じ入れることはタブーにしていたはずなのに、慢心というより自堕落に走ってしまったのでした。
ときどき地元のスナックで一緒になっていた質店のオーナーを、そのスナックで一緒にグラスを傾けたあと、二次会と称して自宅へ引っぱりこんでいたのです。
真面目で正直者の夫は、どこへ行くにも、必ず出張先から、
「無事に(現地に)着いたから安心しろ」
と連絡をくれました。そのときも同様で、だから安心していたのです。
息子からは連絡がありませんでしたが、山登り用のザック(リュック)を背負って、
「じゃ、母さん、行ってくるよ」
と朝、門まで見送ったので、もう現地の山小屋でお仲間と休んでいるころだろうと勝手に私は考えていたのでした……。
私は質屋のオーナーと店を出て、タクシーを拾い、自宅から五十メートルほど離れた小公園のところで停めてもらったのです。
「ふふ、慎重なんだな」
タクシーが視界から去ると、私と彼は公園から出て自宅へ向かって歩きました。
「ちょっと風に当たりたかったからよ」
「ああ、なるほど。ふっふ」
含み笑いして彼は、さりげなく私の肩に手を乗せ、抱きよせました。
彼は私よりひと回り近い、五十代後半だったと思います。
着ている物は作業着みたいなラフな格好ですが、朝からビフテキでも食べているみたいな感じ。
いつも脂ぎっていて、おなかもでっぷりと肉がついていました。
本当は私の一番に苦手な、いえ、嫌いなタイプの男でしたが、サイフには常に、折り畳めないくらい万札が何十枚も入っているのです。
時刻は深夜に近く、午後の十時を少し回っていました。
そこは地方都市の静かな住宅地で、ほとんど通行人の姿はありません。
拙宅は百坪ほどの敷地に平屋の一軒家でしたが、わりと庭は広く、ぐるりのフェンスの内側にもそれなりに丈の高い木立ちが立ち並んでいました。
家族のいない家に正面玄関から彼を招じ入れ、内かぎをロックすると、居間に上げたのです。
「ビール、ウィスキー、焼酎……ブランデー……何を飲みます?」
「じゃ、ブランデー」
夫が大切に飲んでいるブランデーのボトルを冷蔵庫から出し、氷とグラスを二つ持ってソファの前の低いガラステーブルに並べて置きました。
普段ケチな人ほど図々しいものですが、この男はその典型です。
(タダでは帰さないわよ)
私の中で闘争心が湧き、リモコンで居間のクーラーのスイッチを入れると、スーツの上着を脱ぎました。
ブラジャーがうっすらと透けて見えるブラウス一枚になり、上のボタンを一つはずすと、私はテーブルをはさんで、すでに偉そうにソファに腰かけている彼の正面のソファに座ったのです。
座るとき、わざとスカートの裾をちょっと引き、形のいい双つの膝小僧をむき出しにしました。
そして、彼の目が私の胸元と膝のあいだに注がれるのを意識しながら、無防備な感じで両膝を心持ち広げていたのです。
「氷、入れる?」
「あ、ああ一コ」
「お水は?」
「いや、いらない。ロックで……」
落ちつきを失った彼の目が、パンストを穿かない私の股間に注がれているのを意識しながら、
「じゃ、お金持ちさんにカンパイ」
二人ともオンザロックのグラスをカチンと重ねて乾杯したのです。
「カンパイ……ああ、旨い。ここまできて水くさいよ」
いって彼は、辛抱できないといった感じでテーブルを回りこみ、私のすぐ隣りへ移動してきたのです。
私はこの金貸しから二百万、ダメならせめて百万円を借りるハラでした。
しかし、強引に彼に唇を奪われたそのときから、まさか山登りに出かけたはずの息子が、中庭を臨む居間の引き戸のカーテンのすき間からこっちを覗いていたなんて、思ってもみなかったのです……。
ああっ、いいわいいわ
いつしか長椅子にあお向けに押し倒され、スカートの中に両手を突っ込まれて、パンティを脱がされそうになっていました。
「駄目、駄目よお」
股を閉じ、必死で私もパンティを掴んで抵抗したのです。
そのつもりで彼をこんな時間に自宅へ招じ入れたのですから、もちろん私にもその覚悟はとっくにできていました。
でも、まだ目的はとげてはいなかったのです。
「分かった、わかったよ。二百万、明日に用意しよう」
「え。ホント」
思わず両手の力がゆるむのを感じたとき、
「ただ、月イチの利息だけは、毎月ちゃんといただくよ」
どこまでもアコギな男です。
近所でも評判の、こんな美人熟女社長のカラダがいただけるっていうときに、最後まで強欲な男です。
「毎月二十万もの利息を一年間も……年に利息だけで二百四十万……冗談じゃないわ」
上体を起こそうとすると、あわてて彼は、
「わ、分かった分かった、月十万……うん、十万でいいって」
「それなら、なんとか……ああっ」
手の力をゆるめたとたん、一気にパンティを足先から脱がされました。
嬉しさのあまり、無意識に腰を浮かして、パンティを脱がされることに協力していたのです。
気がつくと、スラリと長い両足をMの字ポーズに折りひらかれ、私は彼のフロシキみたいな大きなおベロを秘部に迎えていました。
このときのために、店を出るときにトイレで香水を軽く秘所に降りまいていたのです。
「うーん、ああ、なんてかぐわしい匂いだ。うちのやつとは、えらい違いだ……うぬーん、ぬう、むうむう」
「あはっは、あっはあっは、感じるう」
私はくびれた白い腰を大仰にくねらせていました。
いまだから明かせることは、好きでもない男たちに、それも金策のために抱かれて、なんの快感があるでしょうか。
お金を出してでも一度は寝てみたいといわれている私は、夫以外の男たちに、それもお金のためにからだをひらくようになってから、むしろ自分で不感症になってしまった気がしていたのです。
一回だけだと思って、心の目をつむって我慢しながら肌を許すことに、やっぱり罪悪感や後ろめたさ、そして自己嫌悪の気持ちも伴っていました。
半ば〝仕事〟と割り切って、股をひらくものの、心の中で考えることは、一刻も早く男が終わってくれること。
いえ、一分一秒でも早く彼らが終わるよう、感じているフリをすることも覚えました。
それで、一度は演技しているうちにホントに興奮してしまったこともありますが、
「いい、いーッ、感じる感じる、早くいれてえッ」
とワンパターンの感じたフリをするのが常だったのです。
それで、このときも、商談が成立したものですから、彼がエキサイトしているうちに、早く終わらせてしまおうと考えました。
熱っこく、ネチっこく彼が私の陰部を、照明が明るいままの居間でねぶるものですから、私は大袈裟に身悶えして、
「ああっ、いい、いいわいいわ、お上手よお、我慢できないわあ」
早く挿入して! と口走ろうとしたとき、視野のふちになんとなく人の気配を感じて首をひねると、すごい形相の息子の顔が、透けガラスの外に映っていたのです。
「ま、まさか!?」
息をのみ、目を一度閉じてから、また開けると、そこに息子の顔はなく、気のせいかとほっとした次の瞬間、正面玄関ではなく裏口の戸が、ガチャガチャッという外からカギを開けられる音がして勢いよく開けられました。
と思った瞬間、中廊下にドンドンドンという足音がして、
「この盗っと野郎、どうする、ケーサツに〝人妻泥棒〟だって通報するかあッ」
ド肝をぬかれた金貸しは、口のまわりをテラテラにしたまま、風のように逃げ去っていったのです。
母さん感じちゃう
「お金のことなら、母さん、ぼくの先輩が銀行の融資担当でいるし、市や県でも相談に乗ってくれるよ」
背負っていたザックを降ろすと、息子はさっきの怒りの表情をウソのように消していいました。
「じゃ、潤史、母さんは……母さんは……返す言葉も見つからない、恥ずかしいよ」
あとで聞いたのは、息子の友人が、目的地へ向かう電車の中で急性の盲腸炎(虫垂炎)になり、途中下車して病院へかつぎ込まれたということ。
そして手術が無事に終えるまで優しい息子は付き添い、彼のご両親にも報告を終えると、グッタリ疲れて夜行列車で帰ってきたのだそうです。
家に帰ってきたら、今度は間男と母親の私とのただならぬ光景。
しかも下品な男のふるまいに、疲れも忘れて怒りが込み上げたのだそうです。
「親父、母さんのこと、あまり可愛がってくれないのかい……」
隣りのダイニングに行って流しで手を洗った息子は、自分の新しいグラスを持ってくると、氷を入れ、ブランデーを三分の一ほど注ぐとぐっと飲み干していいました。
「違う、違うの、父さんは優しい……ただ、母さんは、母さんは……言い訳できないよ」
羞恥と自己嫌悪で涙が噴きこぼれたのです。
と同時、まだパンティを穿いていなかったことに気づき、ハッとしてテーブルの上の丸まったパンティに手を伸ばそうとしたときでした。
「いいさ、どうでも。母さんは、まだ若い。若くて、いまも最高にきれいだよ」
いって息子はその私のパンティをサッと奪い、私から遠ざけました。
「え!?」
息子の顔を見上げるより先に、息子はテーブルを回りこみ、私の足元に移動していたのです。
「お、おまえ、あーッ、なにを……ひひっ」
両脚を引っぱられ、思わず私がまたあお向けに寝そべる格好になったと思った次の瞬間、押し開かれた股間に、今度は息子の舌とくちびるがあてがわれました。