机の下の「3時のおやつ」は性の炎(その1)

今すぐ過激なテレホンSEX

父と世間の目を盗んで10年近く続く濃密な母と子の関係

「おまえと逢う前の日は母さん、以前は下穿きを二枚重ねしていたけど最近はそれでも間に合わなくてタンポンを使ってるのよ」

(告白者)
双川正孝(仮名・29歳・会社員)

母のくびれたウェスト

エレベーターの金属の箱が、母のいる最上階の7階に向かって上昇しはじめると、おれの心も一緒に浮きたってくるのが分かった。
いや、心だけではない。身体の内側が熱く盛り上がってくるような感覚も同時に意識した。
エレベーターを降り外廊下に回りこむと、地方都市の郊外にふさわしい緑豊かな風景が一気に広がった。
その一角に母が務める市庁舎の古い建物と、その隣りに図書館を併設した市民ホール、道をはさんで南側には、そこで子供たちが運動も楽しめる屋外スポーツ施設と公園が連なっている。
そして北向きのこの外廊下から見えないが、この母が住むマンションの南側には潮騒を運んでくる太平洋の青い海がゆったりと波打ち輝いているはずだ。
「母さん、逢いたかったよ」
口の中でつぶやき、母への手みやげを包んだ紙バッグを左手に持ちかえ、一番奥から二番目の玄関ドアの前に立つ。
チャイムを押せば、51歳とも思えぬ母の若やいだ顔が、すぐにドアが内側から開かれて現れるだろう。
「おかえり、正孝」
短くいっておれを嬉しそうに中へ招き入れるときの母のちょっと羞じらいを含んだこわばった表情がおれは好きだ。
表情もだけど、二週間に一度、こうやって母と再会するときの最初のあの顔を互いにチラと見つめ合うときのなつかしさと昂揚を内に隠した瞬間がいつもおれはいとおしい。
チャイムを鳴らす。と、すぐに、
「はーい」
ドアの向こうから、大好きな恋人に会うときの女のはしゃいだ声がし、
「お帰りなさい、正孝」
内側からドアが開かれるのと一緒に母のいつもの懐かしい声が伴った。
「ただいま、母さん」
「うん、待っていたわ、冷たい飲み物を用意しておいたわよ」
「ありがとう」
玄関をくぐると、ドアを閉める母からおれの好きな淡い香水の匂いがほのかにおれの鼻腔をくすぐっていた。
それだけでおれの内部に熱くたぎるような情念が湧き立ってくる。
一瞬でも忍耐と理性を失えば、自分がたちまちケモノのような荒ぶった存在に変身してしまう気がした。
「またこんなおみやげ買ってきて。ね、余分なお金は母さんに使わないでちょうだいな」
靴をそろえて脱ぎ、用意されたスリッパを穿いて、やわらかい秋の陽差しが舞う開放的で明るいリビング・ダイニングルームへ移動した。
「大したことないよ。ああ、やっぱりここは落ち着くなあ。都会の汚れた空気とは天と地ほどの差があるよ」
「すまないね。じゃ、ご馳走さま。さ、ゆっくりくつろいで。なんなら、お風呂を先に入るかい、用意してあるよ」
おれから受け取った紙袋の中から母は、母の大好きなメロンその他の果物や菓子を出し、おれに背中を向けたまま冷蔵庫へそれらを入れてゆく。
なにげない母の仕草や少し上ずった声におれは、母が華やいだ気持ちの中にもこれから心おきなく二人だけの時間を共有し合うことに対する期待と興奮が濃くにじんでいることを知る。
おれの大好きなとろりと黒い母のセミロングのヘア。モスグリーンの品のいい半袖センターにくるまれた細い背中、ポキリと折れそうな悩ましいまでに鋭くくびれたウェスト、50女と思えぬばかりに形の美しいヒップ、スカートの中から伸びるカモシカみたいな長くセクシーな下肢、キュッとくびれたつややかな足首。
足首からふくらはぎ、膝裏……と視線を這い上がらせてゆくと、あれからもうすぐ10年間におよぶ、おれを夢中にして離さない魅惑の源泉にたどり着く。
そう思うと急に喉が渇き、おれはテーブルを回りこみ、いつもの自分の席に腰を降ろした。
「母さん」
「なんだい」
細い首だけひねっておれのほうを見た母のコケティッシュな目が濡れているのが分かった。
「いただくよ」
ほどよく冷えた。リンゴジュースを入れたグラスを持って口へ運ぶと、
「あ、どうぞ。冷えたビールもあるよ」
「いや、ありがとう、あとで」
冷蔵庫を閉めて紙袋を畳んでキッチン横の棚にしまうと、母は羞恥を含んだ貌のままテーブルをはさんで嬉しげにおれの正面に向き合って座った。
自分もグラスに入ったおれと同じ飲み物をひとくち口へ運ぶ。
美しい白い喉が小さく鳴り、薄紅の液体が消化器官の中をゆっくり降りてゆく。その液体が肉体の最後に向かうところを想像して全身がひどく火照ってきた。
部屋の空気が粘り着くのを感じて視線をベランダの向こうへ転じると、大きな貨物船が手前の漁師の小船の向こう側を横切っていくのが見えた。
ふたたび視線を元に戻すと、
「なんならお風呂をあとにして、おなかは空いていないの」
「うん、まだ平気」
「じゃあ、ジュースなんかでなくビールでも飲む、二人だけなんだもん、誰にも気兼ねはいらないんだからね……」
このまますぐにでも寝室へ行きベッドで全裸になってケモノのように乱れたいという欲求は、おれだけではないことは分かっていた。
それもよいし、母が期待するように、前奏としていつもみたいに二人で浴室へ行き、ゆっくりジャレ合いながら、先に愛し合うのも捨てがたい。
が、おれには別の計画があった。
「うん、そうだね。でも、母さん……」
「なんなの、今日は少し様子が変よ」
「フフ、違うんだ。ね、時計を見てよ」
おれの視線を追って母は壁の時計に目をやると、
「三時……」
「そう、三時……三時のおやつだよ」
そのセリフを吐いて母を見ると、最初はいぶかしげにおれを見つめ、それから急に固い表情を崩していた。
「なんだ、そんなことを考えていたの。母さんにまた……あれして欲しいのね」
「うん、して欲しい。でも……」
「でも……なんなの……」
「ぼくも母さんにしてあげたい。ぼくが先にしてもらって……その次は母さんに今日はぼくがしてあげたいんだ」
「だって、だってやっぱり羞ずかしい」
おれの視線に耐えられないとでもいう感じで母は言葉通りポッと顔を紅らめ、椅子から腰をちょっとあげるやテーブルの下に顔を隠した。
スリッパを両足とも脱ぎ、床に両膝を着いてテーブル下のおれのほうへ近づいてくるのが分かる。
とたん、おれの内部で血がザワザワ騒ぎ出し逆流し、たちまちなだれを打って全身の血液が下腹部に向かって奔流のように注ぎ込むのをおれは感じていた。

母がファスナー下げて

心なしか母の口からハッ、ハッという乱れた息づかいがこぼれてくる気がした。
全身が朱色に染まったように火照った。ベランダに続く引き戸は開いていたが、洗いたての白いレースのカーテンは一枚に引かれて、海からくるそよ風がくすぐるようにカーテンを揺らし、潮風を部屋に運んできていた。
「正孝、母さん、逢いたかったよ」
しみじみした口調でいって母の両手がズボンの上からおれの両ふくらはぎに触れたとき、おれは思わずビクッと肩を震わせていた。
すでにおれの分身はズボンの中で痛いほど張りつめている。ファスナーを下げられたら、下着のトランクスを突き破って飛び出しやしないかと思えるばかりなのだった。
「おれもさ。こうやって母さんとまた逢う前の晩は、どうやって母さんを楽しませてあげようかとあれこれ考えていつも少し寝不足になってしまう」
「いやねえ、実は母さんも同じなのよ」
母の両手がおれの両膝小僧から太ももの外側をいくつしむように何度もさすり立てる。
おれは興奮で膝をワナワナ震わせながらスーツの上着を脱ぎ、四人掛けテーブルの隣りの椅子の背もたれに掛けた。
空気が薄くなった気がしてネクタイもほどき、はずしてその上に置いた。
母のじわりと汗をため熱をおびた手の平が、ゆっくりと愛撫するがごとくに今度はおれの膝のあいだにそっとすべりこんでくる。
「ああ……」
おれはワナワナさせている両膝の力を徐々にゆるめ、少しずつ開いてゆく。
そして腰を前に移動して浅く座り、背もたれに体重を預けていた。
するとそれを待っていたかのように母は片掌を、淫らなほど熱をもってぬるぬるになった片方の手の平をおれの股間に這わせ、ズボンの上からおれの分身の硬度とボリュームと熱度を確かめ味わうかのように、そこをゆっくりと何度もさすり立てる。
のみならず、股を広げきったおれの膝のあいだに上体を割り込ませ顔を寄せておれの股間に頬ずりするのだった。
「ああ、正孝、待ち通しかった」
語尾をかすれさせて母は、両のほっぺで頬ずりしてから、今度は顔を離しファスナーをゆっくりゆっくり引き降ろしにかかった。

机の下の「3時のおやつ」は性の炎(その2)へ続く

マダムの浮気癖

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